ピープル・アナリティクスとは、社員の行動データを収集・分析して職場改善やビジネス成果につなげる手法のことです。
ピープル・アナリティクスが注目され始めた理由は、技術の向上により、従業員に関わるビックデータを取得できるようになったためです。
また、Googleをはじめとする、最先端のテクノロジー企業で導入され、注目されています。
回帰分析とは、相関関係や因果関係があると思われる2つの変数のうち、一方の変数から将来的な値を予測するための予測式(回帰直線)を求める手法です。
すなわち、1つの目的変数(Y)を1つの説明変数(X)で予測する分析手法です。回帰分析は最もシンプルで把握しやすい分析手法なため、人事のデータ分析においても、幅広く活用できます。
例)外向性の得点とパフォーマンスとの関係
上記の回帰分析では1つの目的変数(Y)を1つの説明変数(X)で予測する分析手法でした。重回帰分析では1つの目的変数(Y)に対して、複数の説明変数(X1,X2,X3)で予測する分析手法のことです。
つまり重回帰分析とは、ある結果(目的変数)を説明する際に、関連する複数の要因(説明変数)のうち、どの変数がどの程度、結果を左右しているのか関係を表し、それを元にして予測を行ことができます。
例)入社時の筆記試験、外向性、学歴(偏差値)による入社後のパフォーマンスとの関係
パフォーマンスを目的変数、筆記試験、外向性、偏差値を説明変数に設定し分析します。
因子分析は、多変量データに潜む共通因子(潜在的に影響を与えている要因)を探り出すための分析手法です。
例)社内の従業員満足度調査から、満足度に影響を与える潜在的な要因を探る
主成分分析とは、多変量のデータを統合し、新たな総合指標を生み出す分析のことです。
すなわち、多変量のデータを圧縮して、2次元などより少ない変数で解釈できるようにすることです。
異なる性質のものが混ざりあっている集団(対象)の中から互いに似たものを集めて集落(クラスター)を作り、対象を分類する分析手法のことです。
クラスター分析は、あらかじめ分類の基準が決まっておらず、分類のための外的基準や評価が与えられていない教師無し学習の分類手法とも言えます。
例)社員の適性検査データや属性データを活用して、似ている社員同士を分類する。
回帰分析や重回帰分析では、Excelを使用して簡単に分析することができます。
一方、因子分析や主成分分析、クラスター分析はExcelを使用して分析することが難しく、RやPythonなどのプログラミング言語を使用する必要があります。
プログラミングの知識が無くとも、導入に費用はかかりますが、IBMのSPSSなどを導入することによって、簡単に分析することができます。
労働人口が減少する中、いかに自社で活躍できる人材を見極めるのか、また社内の人材をどう活かすのかが課題です。そのためにも、データを活用する意義は大きいと言えるでしょう。