SPIやCUBICなど世の中には様々な種類の適性検査があります。
選考という限られた時間の中では、面接のみで候補者の内面を把握することはほぼ不可能です。
アメリカの心理学者マクレランドは人の特性について、目に見える特性だけでは決して判断することはできず、 水面下に隠れている特性が行動やパフォーマンスに大きく影響を及ぼすマクレランドの氷山モデルを提唱しました。
つまり、職務経歴書や面談を通じてスキルや知識などは見えやすく、パフォーマンスの源泉である性格特性や価値観、行動特性は、目に見えにくいため、把握することができません。
適性検査を実施する最大のメリットは、候補者の内面を効率良く客観的に把握することができることです。
ほとんどの適性検査(性格)は心理学や脳科学をもとに設計されています。
心理学で用いられる心理検査には、質問紙法、投影法、作業検査法の3つがあります。以下3つの心理検査について記載します。
現在、適性検査において最も広く使われているのは質問紙法です。質問紙法は質問用紙やweb(PCやスマホ)などを利用して、実施することができます。
与えられた質問項目に対して、「はい」「いいえ」など2択で回答するものや、「当てはまる」「やや当てはまる」「あまり当てはまらない」「当てはまらない」など強弱で回答していきます。
質問紙法の最大の弱点は、回答者が恣意的に回答を操作できてしまうことです。しかし、気軽に実施でき、診断結果もすぐに把握できることから、選考などの適性検査で最も広く使われています。
投影法は、ロールシャッハテストやバームテスト、文章完成法などがあります。
ロールシャッハテストとは、絵や模様を見せて、その感じ方からその人の性格を知ろうとする性格検査です。一方、バームテストは、被験者に与えられたテーマに沿って描画してもらい、描かれた絵を元に、深層心理を探る検査です。
文章完成法とは、未完成な短文を与え、言語を持って自由に文章を完成させるテストのことです。文書の内容によって、被験者の態度、信念、動機づけ、精神状態の徴候を顕在化することができます。
バームテストや文章完成法は、描画した絵や文書の解釈が非常に難しく、専門の知識を持っていないと正しく運用することが難しいと言う弱点があります。そのため、採用などのアセスメントでは、あまり使われていません。
作業検査法で有名なアセスメントツールは内田クレペリンです。内田クレペリンは50年以上の歴史を持ち、現在も多くの企業で使われています。
長所としては、定型的な業務をいかに正確に素早くこなせられるか調べることができ、事務職や技能的な業務にパフォーマンスを発揮できるかどうか把握することができます。
基本的に適性検査では、候補者の自己申告により回答をするため、嘘をつこうと思えば、嘘をつくことができます。
多くの適性検査(質問紙法)では、回答に対して、一貫性があるか分かる一貫性尺度や、嘘や建前などを検知できるライスケールのような質問を取り入れ、候補者の回答の信頼性を担保するものもあります。
また回答時間に制限を入れることで、質問に対して考える余裕をなくし、直感的に回答をしなければならないよう工夫がされているものもあります。
しかし、回答結果に対して、100%嘘を見抜く事はできません。候補者に対して、素直に回答させるメリットを適性検査を実施する前に理解してもらう必要があります。
適性検査を実施することにより、見えにくい候補者の内面を把握することができ、客観的に候補者を判断することができます。
現状では、候補者に幾つかの質問に回答していく、質問紙法での適性検査が最も実用的であると言えます。ただし、候補者の主観的な回答に依存しているため、嘘など100%見抜くことができません。
将来的にはAI(画像解析や自然言語解析)の進化により、質問紙法より、投影法が一般化する可能性もあります。その場合は、さらに深く候補者の内面を把握する事ができるでしょう。
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