近年、インターンを開催する企業が増えてきています。リクルートキャリアが調査した「2018卒就職白書」によると、2017年にインターンを実施した企業の割合は68.1%と前年度と比べて8.7%増加した結果となりました。
従業員数5000名以上の大企業に至っては、約9割の企業でインターンを実施しています。
大学生の学業への影響を考慮して、経団連は2017年度卒の就職活動の解禁時期を「大学3年生の3月1日以降」とし、選考の開始時期も「大学4年生の6月1日以降」と決定しました。
このように選考開始時期が後ろ倒しになったことから、多くの企業が短期間で学生を採用しなければならない状況になりました。そこで、選考開始前に学生との接触が図れるインターンを開催する企業が増えてきました。
経団連は「5日以上」と定めていたインターンの日数規定を2017年春に実質的に廃止しました。そのため、1day〜3dayの短期でのインターン実施が可能になりました。
リクルートホールディングスのリクルートワークス研究所が2017年4月26日発表した調査によると、大卒の求人倍率は1.78倍となり、売り手市場となっています。
優秀な学生を早期に囲い込むため、多くの企業でインターンを活用しています。
経団連の指針では、「インターンシップは人材育成の観点から、学生に就業体験の機会を提供するものとし、採用選考活動とは、一切関係ないことを明確にして行う必要がある」と決めています。
つまりインターンシップは、人材の育成が目的であり、選考や採用活動をしてはいけないと示しています。しかし、これは建前上の目的であり、多くの企業が採用選考に直結したインターンを実施しています。
採用を目的としつつも、育成の視点もしっかりとプログラムの中に取り入れ、採用と育成のバランスを持つことが必要になります。
既にインターンを実施している企業も多いかと思いますが、今後新たにインターンを実施する企業向けに、以下3点の課題を記載いたします。
長期インターンと短期インターンでは、実施する目的が異なります。長期インターンでは、労働力の確保や社会貢献(学生の単位認定)を目的としていますが、短期インターンでは採用を目的としています。そのため、インターンの目的に応じてプログラムを設計する必要があります。
まず、学生に対して自社のインターンに参加するメリットは何か明確にする必要があります。その後、開催期間、開催時期、参加人数規模の設定、またインターンの内容を設計する必要があります。
知名度が低い企業は、どうしてもインターンに参加する学生の集客に苦戦してしまいます。
リクナビ・マイナビなどの大手マス媒体、自社の採用サイト、SNS、説明会など複数のチャンネルを組み合わせて告知し母集団を集める必要があります。また、ターゲット大学の就職支援課に足を運び、チラシを掲載してもらうなども有効な手法です。
インターンに参加した学生の満足度は高かったが、選考に進む学生がほとんどいなかった。その結果、結局採用に結びつかなかったというケースも多くあります。
そのため、インターンに参加した学生に対して、適切なフォローが必要です。
例えば、インターン終了後、参加した学生に対して個別フィードバックを実施する。また相性の合うリクルーターを配置し動機付けをしながら選考に進んでもらいます。
他にも、インターンに参加した学生限定に、適性検査や一次選考の免除などの特典を与え、選考に進むインセンティブを与えることも効果的です。
インターンシップを実施する企業の増加に伴い、いかに魅力あるプログラムを設計し、参加する学生を集め、その後の選考に進んでもらえるかがインターンの成功の鍵となります。
新卒採用におけるインターンシップの重要性が今後も高まってくるだろうと予測しています。弊社ではインターンからの採用を最適化する「INOBER」を提供しています。お気軽にお問い合わせください。