ワークサンプルとは、候補者に実際に職務に近い仕事をさせ、その成果を評価することで候補者の優秀さを測るやり方です。
多くの採用研究では、このワークサンプルこそが、採用後にその人材がどれくらい活躍できるかを予測するもっとも有望な方法であることが実証研究によって確認されています。
現在、1dayや3daysでインターンを実施する企業が増えています。インターンシップの中でワークサンプルを実施することで、より自社に合う優秀な人材を把握することができます。
学生から人気の高い、広告業界や総合商社では、華やかなイメージを持ちやすく、入社後のギャップが生じ退職してしまう社員が多くいます。
大手総合商社である、住友商事では、華やかさの裏に泥臭く仕事をしている、商社マンとしての実態を感じてもらうため、現場の業務に近いワークサンプルを設計しています。
実施するワークサンプルが、なるべく現場での実務に近い内容で設計することで、入社後のミスマッチを減らすことができます。
ワークサンプルを設計する上で重要な点は、①採用したい職種の業務に近い内容にすること、②評価するポイントは何か明確にすること、③フィードバックをすることです。
そのためには、活躍している社員にインタビューをし、評価ポイントを押さえておく必要があります。また実際のグループワークやプレゼン時には、現場の社員に同席してもらい、どの学生が優秀なのか評価し、フィードバックをするようにしましょう。
下記は、職種別のワークサンプルの内容と評価するポイントを記載いたします。
自社の製品もしくは、ある商品・サービスを想定して、実際に新規顧客の獲得から、商談、クロージングまでの流れをプレゼンをする。
評価ポイント:どのような顧客に焦点を絞っているのか、プレゼン時にどのようなコミュニケーションを取っているのか、顧客からの質問に的確に答えられているかどうか。
自社の製品もしくは、ある商品・サービスを想定して、潜在顧客への認知、購入までの一連の流れを企画しプレゼンをする。
評価ポイント:顧客のペルソナ分析ができているのか、どのようなチャンネルに絞っているのか、その理由と根拠。効果測定はできるのかどうか。
自社製品の製造コストを1/2にするために、どのような方法を用いて、コスト削減を達成するのか考えプレゼンする。
評価ポイント:最適な人員の配置、各工程でのコストや時間を把握しているか、納期をどの程度意識しているのか。
システム開発に関わるシミュレーションを行い、プロジェクトを進める上で発生する課題にどう対処するのか、課題解決能力を評価する。
評価ポイント:要件定義で重要なポイントを理解しているか、課題が発生した時の対処方法。プロジェクトに関わるメンバーとコミュニケーションが取れているかどうか。
優秀な人材の採用を実現し、採用後のミスマッチを減らすためにも、ワークサンプルは有効な方法です。
ワークサンプルを実施する上で、ワークサンプルの設計から評価、フィードバックまでは、社員の協力が不可欠と言えるでしょう。